地域における本との出会いの場を再考するイベント「まちの本屋をめぐる旅 in 鳥取」を、今年1月から2月にかけて鳥取県内で2回にわたり開催しました。
第1回は1月12日、鳥取市にて座談会「いつかまちの本屋をやりたかった人と、思いがけずまちの本屋をはじめた人」を開催しました。
登壇者は、長年にわたり地域の読書文化を牽引してきた永井伸和氏(NPO法人本の学校顧問)と、2024年に「SHEEPSHEEP BOOKS」を開業した髙木善祥氏。
会場には定員を超える約40名が来場し、本とまちづくりについて活発な意見交換がなされました。
永井氏からは1970年代から子ども文庫や模擬図書館などを通じて読書運動を推進し、公立図書館の設置や「本の学校」の創設に尽力してきたエピソードを披露。
「精神は受け継がれていく」と語る姿に、参加者は静かに耳を傾けていました。
一方、高木氏は「本は一人で読むものだが、本屋で誰かと出会える」と語り、地域の人々が集う空間づくりへの思いを共有。
中高生に本を贈る「ペイフォワード文庫」など新たな試みもご紹介いただきました。
第2回は2月9日、境港市にて「はまのめPlus+ 本と人をつなぐ場を歩く」を開催しました。
雪の舞うなか、定員いっぱいの参加者32人が旧今井書店境港店前に集まり、ファシリテーターの遠藤緑氏(鳥取短期大学助教)の案内で、本のある個性的な店舗を巡りました。
訪問先は「一月と六月」「canarya coffee」「子己庵」「caféマルマス」「小僧文庫」など、本や雑貨、カフェが融合した空間ばかり。
意見交換では「書店の本棚には無限の可能性がある」との声も上がり、小規模ながらも個性的な店舗の存在価値を再認識する機会となりました。

