本の学校出版シンポジウム2025 in 東京 [地域×世界]で拡張する〈本〉の現在地
1995年、鳥取・大山のふもとで「本の学校」はスタートしました。
さまざまな立場の人が集まって5年間続いたシンポジウムのテーマは「地域から描く21世紀の出版ビジョン」。
30年後の今日、地域から描かれる本のすがたは、さらにグローバルな視点へとつながっています。
地域と世界で〈グローカル〉に拡張する本の現在地を、一緒に考えてみませんか。
日時:2025年10月26日(日) 12:00〜17:30(開場 11:30~)
会場:専修大学 神田キャンパス7号館3階 731教室(東京都千代田区神田神保町3-10-1)
分科会参加費:
・会場参加:2,000円/1分科会あたり ※第1~3セット割引あり ※学生無料
・オンライン配信:1,100円 ※アーカイブ配信あり
交流会参加費:6,000円
参加申込み:EventRegistよりお申し込みください。
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■第1分科会 12:00~13:30
読書と書店の振興に取り組む意義と可能性
□パネリスト:
・伊東直人(経済産業省中国経済産業局)
・北田博充(神戸「本」の文化振興プロジェクト・アドバイザー)
□コーディネーター:
・草彅主税(Book Seller Assist代表)
書店で普段読まなかった本から新たな考え方を学び、自分と異なる物の見方に触れる経験は、国の底力の引き上げにつながる。経済産業省中国経済産業局で書店振興プロジェクトチームを立ち上げた伊東氏が、本と書店の必要性や国や自治体のサポートの必要性を訴え、中国地方で実践してきた事例を紹介し、神戸市が取り組む〈神戸「本」の文化振興プロジェクト〉でアドバイザーを担っている北田氏が、自治体と読書振興に取り組む事例を紹介する。
■第2分科会 14:00~15:30
いま、本のある地域の暮らし ―変わる図書館、本とまちと人―
□パネリスト:
・あまのさくや(作家/紫波町図書館)
・西川正(真庭市立中央図書館)
・髙木善祥(SHEEPSHEEP BOOKS)
岩手県紫波町には公民連携再開発の成功例として注目を集める「オガールプロジェクト」があり、その中核施設のひとつが図書館だ。その紫波町図書館の館長に今年就任されたのが、地域おこし協力隊として移住していたあまのさくやさん。紫波町で数年前に「本と商店街」というブックイベントを立ち上げたあまのさんが図書館長!? 紫波町らしい、驚きの人事だった。
そのあまのさんが「ぜひお話ししてみたい」とご指名されたのが、岡山県真庭市立中央図書館のカンチョー・西川正さん。埼玉で長年住民参加やまちづくりの活動をしてきた西川さんが実践されているのが、「for」ではなく「with」の図書館。利用者がサービスを受けるだけの場では何も生まれない。住民と一緒になにかをやってみる、「あそび」に溢れた図書館とはどんな場だろう。そこでは、本はどんな存在なのか。
聴き手は、鳥取のあの定有堂書店のあった場所で新たに本屋SHEEPSHEEP BOOKSを始めた髙木善祥さん。「本と地域」の長い積み重ねがある鳥取から、紫波や真庭の今はどんなふうに見えるだろうか。
■第3分科会 16:00~17:30
書籍ビジネスの海外展開。その可能性と課題。~世界的ミリオンセラーの編集者に聞く~
□パネリスト:
・池田るり子(サンマーク出版)
・今泉憲志(ダイヤモンド社)
日本の出版社の海外ライツ戦略といえば、多くの人がマンガコンテンツを想像するだろう。書籍の海外展開は、アジア圏では成果を上げつつも、欧米圏ではまだ未開拓な部分も多い。そんな中、世界40以上の言語で翻訳されアメリカで映像化も予定されているサンマーク出版『コーヒーが冷めないうちに』はシリーズ累計850万部を超え、ダイヤモンド社『嫌われる勇気』はシリーズ世界累計1680万部を突破している。発売から10年以上の歳月をかけ、書籍の海外展開に挑戦し、世界的ミリオンセラーを売り伸ばし続ける2人の編集者に、「各国の書籍市場動向」「成功の要因」含め、その魅力と課題を語っていただく。
交流会
登壇者の方々も多数参加する交流会にぜひご参加ください。打ち解けた雰囲気で、ドリンク片手に語り合いましょう。
※会場は専修大学 神田キャンパス内を予定(当日ご案内します)
※フリードリンク / 立食形式で開催します
■参加者へのご注意
※本講座は、会場参加とオンライン配信のハイブリッド形式で開催します。
※オンライン講座にお申し込みの方には、NPO本の学校事務局(npobschule@gmail.com)より、開催前日17:00前後に配信用のURLをメールでお送りします。
※本講座はZoomミーティングを使用して配信いたします。あらかじめZoomが利用できる環境をご用意ください。視聴の際は、カメラをオフにし、音声はミュートの状態でご参加ください。
※主催者により、アーカイブ配信および記録を目的に本イベントの録画を行います。参加者の方による無許可での録音、録画はご遠慮ください。
※お申し込みいただいた方には、講座終了の数日後にアーカイブ動画のご案内をお送りします。当日参加できない場合でも、後日ゆっくりご視聴いただけます。
※本講座の事前申し込みは前日16:00締切となります。それ以降のお申込みをご希望される方は、会場参加希望者は直接現地にお越しください。オンライン希望者はアーカイブ動画の後日配信(予定)がございますので、そちらでお申し込みください。
※そのほか、当日は運営スタッフの誘導・ご案内に従っていただきますようお願いいたします。
□主催:NPO法人 本の学校
□共催:BOOK MEETS NEXT実行委員会
□後援:出版文化産業振興財団・書店新風会・専修大学・日本雑誌協会・日本出版学会・日本書籍出版協会・日本書店商業組合連合会・日本図書館協会・版元ドットコム(五十音順)
□お問い合わせ:
NPO法人 本の学校 事務局
〒683-0801 鳥取県米子市新開2-3-10
Email:info@honnogakko.or.jp
■登壇者プロフィール
■第1分科会 読書と書店の振興に取り組む意義と可能性
伊東直人(いとう・なおと)
経済産業省中国経済産業局勤務。呉工業高等専門学校在学時に両親が経営する町工場が倒産したことにより大学進学が叶わず、本によって全ての学びを得た経験から街の書店の重要性を実感。経済産業省に書店振興プロジェクトチームが設置される以前の2020年から、中国経済産業局内で書店支援事業を立ち上げ現在までリーダーを務める。働きながら本での独学でTOEIC990点、英検1級、中小企業診断士、ITストラテジストなど8つの資格を取得している。
北田博充(きただ・ひろみつ)
神戸「本」の文化振興プロジェクト・アドバイザー/梅田 蔦屋書店・店長/ひとり出版社「書肆汽水域」・代表。2020年に本・音楽・食が一体となった本屋フェス「二子玉川 本屋博」を企画・開催する。2024年に全国の書店員がフェアの腕を競い合う王座「Book Fair Championship(BFC)」を立ち上げ、実行委員長として企画運営を担う。同年、神戸市が取り組む〈神戸「本」の文化振興プロジェクト〉のアドバイザーに就任。著書に『本屋のミライとカタチ』(PHP研究所)、『これからの本屋』(書肆汽水域)、共著書に『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』(朝日出版社)などがある。
草彅主税(くさなぎ・ちから)
特定非営利活動法人本の学校・理事/Book Seller Assist代表。紀伊國屋書店、ブックファースト、日本書店大学、丸善、有隣堂などで現場の書店員、店長、本部の仕入責任者を歴任。2021年よりフリーランス。「『本を売る』ことに魅せられて」「書店人の覚書帳』を、noteに連載中。青田恵一「書店道場」第1期生、ほんまる神保町「30章1節」棚主。
■第2分科会 いま、本のある地域の暮らし ―変わる図書館、本とまちと人―
あまのさくや(あまの・さくや)
1985年、カリフォルニア州生まれ。チェコ親善アンバサダー。著書に、『32歳。いきなり介護がやってきた。』(佼成出版社)『チェコに学ぶ「作る」の魔力』(かもがわ出版)、『はんこ作家の岩手生活(上)(中)(下)』(生活綴方出版部)がある。本づくりやはんこづくりのワークショップ講師のほか、紫波町・日詰商店街のブックイベント「本と商店街」実行委員長もつとめる。2021年3月より、岩手県・紫波町に移住。2024年10月より紫波町図書館長に就任。
西川正(にしかわ・ただし)
1967年、滋賀県生まれ。学童保育所、出版社、NPO 支援センター等を経て、2005年NPO法人ハンズオン埼玉を設立し、現在は副代表理事。「おとうさんのヤキイモタイム」キャンペーンなどコミュニティを育むためのさまざまなプロジェクトを提案してきた。2022年4月から岡山県真庭市立中央図書館長を兼務。大学等で非常勤講師。著書に『あそびの生まれる時〜「お客様」時代の地域活動コーディネーション』(ころから)等。
髙木善祥(たかき・よしなが)
1973年、鳥取市生まれ。准認定ファンドレイザー。2023年11月まで、(株)今井書店にて鳥取倉吉地区のエリアマネージャーとして勤務。2024年5月、定有堂ビル2階にて、個人で新刊と古本を扱う「SHEEPSHEEP BOOKS」を始める。またNPO本の学校および一般社団法人鳥取クリエイティブプラットフォーム(TPlat)にも関わっており、地域に根差した活動を行っている。
■第3分科会 書籍ビジネスの海外展開。その可能性と課題。~世界的ミリオンセラーの編集者に聞く~
池田るり子(いけだ・るりこ)
2006年、サンマーク出版に新卒入社。営業部を経て編集部へ。友人に誘われて観劇した舞台『コーヒーが冷めないうちに』に大感動し、その場で、脚本・演出を手がけた川口俊和さんに「この舞台を小説にしませんか?」と声をかける。約3年半の執筆期間を経て刊行され、日本では本屋大賞2017にノミネート。また、有村架純さん主演で映画化。その後、世界へと広がり、シリーズ累計850万部を突破。現在シリーズは6作目まで刊行しており、第1巻が94万部のため、単独ミリオンを目指すのが夢。
今泉憲志(いまいずみ・けんじ)
1963年生まれ、愛知県出身。株式会社ダイヤモンド社取締役(書籍編集局、メディア局、ID事業室等を担当)。91年の入社以来、一貫して書籍畑を歩み、第1編集部編集長、書籍編集局長等を経て現職。フリー編集者の柿内芳文氏と共に担当した『嫌われる勇気』(2013年)、『幸せになる勇気』(2016年)は世界40以上の国・地域・言語で翻訳され、シリーズ世界累計1680万部を突破している。
