<参加受付中!>第20回「広島大学文藝学校」

第20回「広島大学文藝学校」(広島大学文学部ゼミナール)

テーマ「豊かな人間性を培う人文学」
広島大学文学部と NPO 法人「本の学校」共同開催の「文藝学校」。20回目の今年は、2日間開催します。
参加費は無料。お好きな講座を1講座から選んでご参加いただけます。

日時:2024年11月23日(土)~24(日)10:30〜17:30
会場:鳥取県立米子産業体育館 小会議室(「本の学校 今井ブックセンター」向かい側)
参加費:無料
受験相談会:両日とも16:00~17:00で開催
申込み方法:NPO 法人「本の学校」 事務局宛にお申し込みください
メール:npobschule@gmail.com 電話:0120-479-233(火~土 13~17 時)FAX 050-3451-8165
  ①ご氏名 ②ご住所・お電話番号 ③ご希望の講座 ④学校名(受験相談会ご希望の方)を お知らせください

1日目: 11 月 23 日(土)

●10:30~10:40 1日目 開会あいさつ

1-1. 10:40~11:40
グローバル化と古代語・古典語の世界

【講師】尾園 絢一(言語学分野 准教授)
インドの古典語サンスクリット語や英語やドイツ語などのヨーロッパの言葉は元は同じ祖先に遡ります。
つまり元々一つの言葉であったも のが、別れて各地に広がって個々の言語として発展しました。
ヨーロッパの言語の祖先と言える言葉(インド・ヨーロッパ祖語)を話してい た民族がどのようにして拡大し、どのような資料を残し、今日に至ったのでしょうか。
こうした問いについて、ヒッタイト王国資料、古代イ ンドのバラモン教聖典ヴェーダ、ホメーロス叙事詩などの資料を紹介しながら、人類史、今日のグローバル化の背景といった観点から探 ってみたいと思います。

1-2. 11:50~12:50
紫式部と『源氏物語』 

【講師】小川 陽子(日本文学語学分野 准教授)
今年は大河ドラマ「光る君へ」が大きな話題となっています。『源氏物語』の作者・紫式部を主人公とするドラマですが、ではどうして紫式部 が『源氏物語』の作者だとわかるのでしょうか。
『源氏物語』は長い長い物語ですが、いつ、誰が書いたのかということは、物語のどこにも 記されていません。物語の成立について、『源氏物語』と『紫式部日記』を紐解いてお話しできればと思います。平安文学の世界をご一緒 しましょう。

1-3. 13:40~14:40
モンゴル帝国とアフロ・ユーラシアの文化交流:新たな知の時代の幕開け

【講師】舩田 善之(東洋史学分野 准教授)
13 世紀、チンギス・カンによって建てられたモンゴル帝国は、ユーラシアの様相を大きく変えることとなりました。近年、モンゴル帝国の研究の進展によって、その歴史的意義が注目されるようになっています。
この時代、アフロ・ユーラシア規模のヒト・モノ・情報の移動と交流が活発となり、それらによって人類の知は新たな段階に移行しました。
旅行記・歴史書・辞書などの書物や地図・天文学・暦・言語・文字な どさまざまな事例から、当時の知識の拡大と技術の革新を論じます。

1-4. 14:50~15:50
古代中国の呪術系医学

【講師】有馬 卓也(中国思想文化学分野 教授)

医学が発達していない古代にあっては、医者(doctor)が治療できる病気も非常に限られていました。
このような医者が匙を投げた時には依然として呪術療法が生きていました。
本日は古代中国の医療系文献を手がかりに、当時治療不可能であった病気に対し、呪術医 (medicine man)たちがどのように向き合っていたかを紹介します。

●15:50~16:00 第1日目 まとめ
●16:00~17:00 第1日目 受験相談会

2日目: 11 月 24 日(日)

●10:30~10:40 2日目 開会あいさつ

2-1. 10:40~11:40
古典SFから現実の「ロボットが守るべき倫理」を考える

【講師】岡本 慎平(倫理学分野 助教)
「自律的に動作するロボットには、倫理的に行動するための制限が必要である」という考えの出発点として、アイザック・アシモフの作品に登場する「ロボット工学三原則」がよく参照されます。
しかしこの三原則は目指すべき理想ではありません。表現が曖昧で、プログラムとし て実装するのが困難で、そもそも作中のロボットたちすら三原則のせいで機能不全に陥ってしまいます。
古典 SF を参考にしながら、ロボットの倫理についていくつかのアイディアを検討してみましょう。

2-2. 11:50~12:50
ロンドン英語の昔と今

【講師】今林 修(英語学分野 教授)
伝統的に、ロンドンのチープサイドにあるボウ教会の鐘の音が聞こえる範囲内に生まれた人々、もしくはその人々が話す下町語をコックニ ー(Cockney)といいます。
今回は、コックニーをはじめ、ロンドン英語の特徴を歴史的に概観したいと考えています。チャールズ・ディケ ンズ(1812-70)が活躍したヴィクトリア朝のコックニーから出発して、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』(1964)の花売り娘(イライザ・ ドゥーリトル)の訛を経て、現代のロンドン英語に至る道のりをみなさまと考えてみたいと思います。

2-3. 13:40~14:40
トルストイ『戦争と平和』にみる歴史と個人の運命

【講師】溝渕 園子(比較日本文化学分野 教授)
「何のために数百万の人間がたがいに殺し合ったのか、世界の創造の時から、それは肉体的にも、精神的にも悪だということがわかってい るのに?」―近代ロシアの小説『戦争と平和』のエピローグの一節です。
1812 年のナポレオン戦争を舞台に、恋に喜び、戦いに葛藤し、社 会に翻弄される登場人物たちの姿から、歴史の大河と個人の運命とのつながりを考えます。
レフ・トルストイの鋭い洞察と壮大なスケー ルで描かれた物語世界に触れてみましょう。

2-4. 14:50~15:50
よみがえる「弱法師」説話 ~古典を変奏する近現代文学~

【講師】有元 伸子(日本文学語学分野 教授)
島由紀夫が能楽を翻案した人気の戯曲集『近代能楽集』から、「弱法師」を取り上げます。
美少年が無実の罪で零落し、流浪の末に四天王寺で心の目によって極楽浄土を見るという能の「弱法師」は、説経節の「しんとく丸」(俊徳丸・身毒丸)や歌舞伎の「摂州合邦辻」と同じ説 話に基づいており、折口信夫や寺山修司らも作品化しています。
日本古来の想像力を近現代の作家がどのように継承しながら変奏して いったのか、考えてみましょう。

●15:50~16:00 閉会の辞
●16:00~17:00 第2日目 受験相談会

主催 広島大学文学部・NPO 法人「本の学校」
後援 (株)今井書店グループ・米子市教育委員会